特別補講2 報酬額の上限について
| [特別補講]

これまで、宅建業者は、100万円の売買を成立させても、報酬が5万円(別途税)しかもらえませんでした。5万円というと「高い」とお感じになるかもしれません。しかし、業者からすると、
- 不動産の現地調査
- 法令についての調査(登記取得などの経費がかかります)
- 買主を探すための広告
- 物件の現地案内
などなどやって、成約したら5万円の報酬がもらえるということでして、当然のことながら成約しなかったら報酬はもらえないわけです。
実務感覚で言うと、100万円の不動産ってのは、誰も欲しくないから安いわけです。ですから、宅建業者からすると、1000万円の不動産を売るよりも、100万円の不動産を売る方が大変です。
大変なこと(100万円の不動産売買)
をやって報酬は5万円
大変でないこと(1000万円の不動産売買)
をやれば報酬は36万円
宅建業者からすると、100万円の不動産売買なんてどうでもいい、って感じだったんです。(弊所では、100万円の不動産売買についてお手伝いすることもありましたが、これまではボランティア感覚でお手伝いしてきました。)
宅建業者が仲介をしないと、安い不動産が市場で取引されません。すると、誰も管理しない不動産(空き家など)がどんどん増えます。いらないから売りたいのに宅建業者が仲介してくれない⇒ほったらかし、というわけです。
誰も管理しない不動産が増えるのは好ましくありません。街が荒れます。想像してみてください。草ボウボウの土地、割れた窓ガラス、今にも倒れそうな壁。
そこで、宅建業者が売主から受け取ることができる報酬を18万円とする法改正がありました。100万円の不動産を仲介しても、18万円の報酬がもらえるわけです。宅建業者としてもやる気が出てくるわけですね。
ここまでは、素人向けの雑な説明です。試験勉強ですので、少しややこしい説明をしておきましょう。
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